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基礎知識 結核とは?

監修:公益財団法人 結核予防会結核研究所 所長
 加藤 誠也先生

結核とは

結核とは、結核菌という細菌が空気感染によって体の中に入り、増えることによって起こる病気です。日本では、結核の約8割が肺に病変ができる肺結核ですが、肺以外の臓器が冒されることもあります。
肺結核を発病した初期の症状は、咳、痰、発熱など、風邪に似ています。症状が2週間以上も続いたり、良くなったり悪くなったりを繰りかえすところが風邪とは違います。

結核は、今でも世界で約1,000万人がかかり、約150万人が亡くなっている病気です。世界のおよそ1/4が結核に感染していると言われています1)

日本では1950年代まで結核は「国民病」、「亡国病」などと恐れられており、死亡原因の1位でした。その後、適切な治療法が開発されてからは、患者数が減少していることもあり、昔の病気と思われることが多くなりました。しかし、結核は今でも1日に42人の新しい患者が見つかり、6人が日本でも命を落としているのです2)

1)WHO Global tuberculosis report 2019

2)公益財団法人 結核予防会編:結核の統計2019

結核にかかりやすい人の特徴

結核は高齢者に多く、3人に2人は65歳以上です1)。また30歳から59歳の働き盛りの方は、発見が遅れる傾向にあるので注意が必要です。若者も高齢者と比べて多くはないものの感染拡大につながりやすく、近年では若者の中でも外国生まれの患者が増加傾向にあり同じく注意が必要です。
また、下記のような治療を行っている方や既往歴のある方は、注意が必要とされています。

注意が必要な治療中の病気や既往歴
・糖尿病
・人工透析
・がんの治療中
・副腎皮質ステロイドや免疫抑制のお薬を使用されている方
・HIVの治療中
・胃切除

結核菌は、感染しただけでは症状はなく、周りの人に結核をうつしてしまうこともありません。しかし、結核が発病した場合は、最初は無症状ですが、進行すると咳や、微熱、身体のだるさが2週間以上続くことがあります。また、人に感染させてしまう可能性も出てきます。結核の感染を広げないためにも結核の早期発見は大切です。

感染は、肺結核患者さんが咳をしたときに飛び散るしぶきの中の結核菌を吸い込むことで起こります。身近な方で結核と診断された人がいる場合も注意が必要です。

1)公益財団法人 結核予防会編:結核の統計2019

結核かもと思ったら

もし結核かもしれないと思ったら、受診することをお勧めします。最初は症状が軽いことや、ゆっくりと病気が進行するため、発見が遅れやすい病気です。症状が出始めてから結核と診断されるまでの期間が3ヵ月以上も遅れる方は全体の20.4%という報告があります。また、20〜50代の働き盛りの方だとさらに高く35.5%にも及びます1)

1)平成 27 年 結核登録者情報調査年報集計結果について(厚生労働省HP(2020年4月アクセス):https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000132952.html

検査について

「感染」を調べる場合は、ツベルクリン反応検査と、インターフェロンγ遊離試験があります。ただし、ツベルクリン反応検査は、BCGを接種されたことのある人も、陽性の結果が出てしまいますので、主に行われているのは、インターフェロンγ遊離試験です。血液検査によって簡単に調べることができます。
結核のうち約8割は、肺結核です。悪化すると咳や痰から他の人に感染します。検査方法は、胸部X線検査や胸部CT検査といわれる画像検査です。喀痰(かくたん)検査は、痰などと一緒に結核菌が排出されているかを調べます。検査により、まわりの人にうつす可能性があるかが分かります。

治療法について

かつては多くの方が結核で亡くなりましたが、今はきちんと治療を行えば治る病気です。
ただし、病院への受診が遅れたり、重症化してしまうと死に至る可能性があるので、注意が必要です。また、途中でお薬を飲むのをやめると結核菌が耐性を持ってしまい、お薬が効かなくなる可能性があるため、必ず医師の指示に従ってお薬を飲み続ける必要があります。服用期間は、基本的に6ヵ月です。症状によっては長くなる場合もあります。
通常は、通院治療が可能ですが、喀痰検査の結果、まわりの人にうつす可能性が高ければ入院となります。すでにまわり人にうつしている可能性がある場合は、リスクの高い順に患者さんと接触した方も検診を行います。
治療費は、国や自治体からの公費負担医療制度があります。世帯によって異なりますので、詳しくは、保健所または医療機関などに問い合わせるとよいでしょう。

予防法について

ワクチンとしてBCGがあり、特に子供の結核予防に有効ですが、大人の結核には予防効果が高くないとされています。
健康的な生活が、予防につながります。適度な運動、十分な睡眠、バランスの良い食事を心がけましょう。また、定期健診をきちんと受けることも大切です。
感染していた場合も、症状が出た場合に、すぐに診断を受けられるので、知っておくことが大切です。また長引く風邪症状があるようでしたら、発病している可能性があるので病院を受診しましょう。